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【取材】中尾凌誠

【ゴールボール】 本戦初出場で快挙達成

 本学の障がい者スポーツ同好会では毎年、日本選手権予選に向けてゴールボールの練習に取り組んでいる。そこで今回は9月の女子予選を勝ち抜き、11月2日・3日に埼玉県所沢市民体育館で開催された第31回日本ゴールボール選手権大会に挑む「順天堂大学Moons」を取材した。

出場選手は以下の通り。

 順天堂大学Moons(4年福田みつき、4年八木菜摘、2年葛岡佳音、1年市岡桃果)

 

激闘の舞台となった所沢市民体育館

 10月9日のオンライン組み合わせ抽選会で全6チームが3チームずつ2つのPoolに分けられ、各Pool上位2チームが準決勝進出、下位1チームが5位・6位決定戦に臨むレギュレーションが発表された。順天堂大学は抽選の結果、予選で対戦した昨年準優勝の強豪「なでしこ」と、昨年本選出場経験を持つ「RE☆STARTS」と同組になるという厳しい組み合わせとなった。

 

 迎えた大会初日となる11月2日、順天堂大学の初戦はなでしこ。パリパラリンピック女子日本代表選手が2人所属する強豪。9月の予選で試合時間9分54秒を残して1点も奪えずコールド負けを喫した相手との再戦に臨んだ。

 順天堂の先発は市岡、福田、葛岡の3選手。リベンジを誓いスタートしたが、前半1分33秒に早くも失点を許し、序盤から苦しい展開に追い込まれた。

 その後も、なでしこの強力な攻撃を前に守備を固めた順天堂だったが、次々とゴールを奪われ、前半で計6失点。攻撃面でも相手の堅い守りを崩せず、得点機をつかむことができなかった。スコア0-6と厳しい状況で前半を折り返し、順天堂は後半での巻き返しを目指すこととなった。

 

相手の猛攻をしのぐ順天堂大学

 流れを変えたい順天堂は後半開始時に葛岡に代えて八木を投入。選手交代が奏功し、後半開始から6分間にわたり無失点を継続するなど安定した守備を見せた。

 攻撃では果敢に得点を狙うも、相手の堅守を崩すことができず苦戦。後半6分22秒、7分40秒、7分58秒に立て続けに失点を喫し、スコアは0-9に。残り4分でさらに1失点すればコールド負けという厳しい状況に追い込まれた。しかし、順天堂はそこから集中力を発揮し、再び守備を立て直して無失点で切り抜けたが、なでしこの堅守を崩せず試合はそのまま0-9で終了。

 予選のコールド負けと比べると差を縮めたものの、無得点に終わり悔しい敗戦となった。

 

相手の堅守を崩そうと攻撃を仕掛け続けた市岡桃果(1年/写真上)と葛岡佳音(2年/写真下)

 大会初日、2試合目はRE☆STARTSとの一戦。こちらも9月の予選では1-7と大差で敗れた強豪相手とのリベンジマッチとなった。順天堂の先発は初戦と同じ市岡、福田、葛岡の3選手。

 序盤からの失点を抑えたい順天堂だったが、試合開始早々の前半1分15秒と1分44秒に連続失点を喫し、0-2と苦しい展開に。その後も攻撃を繰り出し得点を狙うものの、相手の守備を崩しきれず、前半3分24秒にさらに失点を重ね0-3となる。

 しかし、順天堂も反撃に出る。前半5分8秒、福田が相手の隙を突き1点を返し、1-3と点差を縮めた。さらに、前半6分17秒には葛岡に代えて八木を投入し、守備を立て直しながら反撃の糸口を探った。

 最少失点で前半を終えたい順天堂だったが、前半7分4秒と11分37秒に追加点を許し、1-5で前半を終了。

 

後半へと繋がる得点を挙げた福田みつき(4年)

 巻き返しを狙いたい順天堂は後半開始時、福田に代えて葛岡を投入。葛岡、八木、市岡の3選手で後半をスタートした。

 しかし、開始28秒で早くも失点し、1-6とされる。それでも順天堂は後半1分52秒に市岡が得点を挙げ、2-6と反撃の兆しを見せた。その後、後半3分32秒に失点を許したが、それ以降は守備が機能し、お互いに得点を奪えない膠着状態が6分近く続いた。

 均衡が破れたのは後半10分14秒、RE☆STARTSが追加点を挙げ点差は2-8に広がるが、順天堂も最後まで諦めず、後半11分13秒と11分59秒に八木が連続得点を記録。4-8と点差を縮めたものの、反撃はここまでとなり試合終了。予選では1得点に終わった相手に対し、4得点を挙げるなど大きな成長を見せた。


後半連続得点を挙げ活躍した八木菜摘(4年)

 初日は0勝2敗でPool3位となり、大会2日目の5位・6位決定戦に進むこととなった。


 大会2日目、5位・6位決定戦の相手は「Shiny One」。

 パリパラリンピック女子日本代表選手が1人所属する強豪との1戦となった。

 順天堂の先発は福田、八木、市岡の3選手。葛岡が大会初日に負傷したため、残る3選手で先発フル出場を強いられるという難しい状況の中試合が始まった。

 試合序盤から両チームが積極的な攻撃を見せるも、集中した守備に阻まれ得点を奪えず、緊迫した展開が続いた。均衡が破れたのは前半7分40秒、順天堂の福田がペナルティスローを与えてしまい失点。Shiny Oneに流れが傾きかけたが、直後の前半7分58秒、順天堂の八木が相手ゴールを揺らし1-1の同点に追いついた。その後も互いに果敢に攻撃を仕掛けるも得点には至らず、1-1のまま前半を終了。


 後半開始時、両チームは選手交代を行わず、残り12分で決着をつけるべく激しい攻防を再開。順天堂は後半1分58秒にペナルティスローを獲得し、絶好の得点チャンスを迎えたが、相手のファインセーブに阻まれ得点ならず。しかし、後半3分31秒、八木が見事なゴールを決め、2-1とついにリードを奪うことに成功した。


 その後、順天堂は点差を広げるために攻撃を続けつつも、守備を固めてShiny Oneの反撃を封じる戦術を展開。一方、追いつきたいShiny Oneも果敢に攻め続けるが、順天堂の堅守に阻まれ得点を奪えないまま時間が経過。試合はそのまま2-1で終了。

チームを勝利に導く2得点を挙げた八木菜摘(4年)

 順天堂大学にとって、本選初出場での貴重な初勝利。強豪相手に粘り強く戦い抜き、堂々の5位で大会を締めくくる結果となった。

(文責:中尾凌誠)

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